クレジットカード現金化は融資ではないため、信用情報に一切の影響がありません。
過去のクレジットカード現金化を利用していても、十分な信用と返済能力があればローンの審査に通過できます。
ただし、常習的なクレジットカード現金化がカード会社に発覚して、強制解約のペナルティーを受けた場合は別です。
強制解約は信用情報機関に最大10年記録され、その間は新たにキャッシングやローンを利用できません。
お金のコラム
「クレジットカード現金化は違法なのになぜ黙認されているの?」「クレジットカード現金化を利用すると罪に問われるの?」といった疑問をお持ちではありませんか?
結論を言うと、クレジットカード現金化は完全に合法とも、完全に違法とも言えない「グレーゾーン」な行為です。
また、違法性が問われて摘発・逮捕される悪質業者もあれば、10年以上も営業を続けている優良現金化業者もあります。
今回はクレジットカードが黙認されている理由や、その違法性と法的リスクについて解説します。
クレジットカード現金化は「違法でないグレーゾーン」だから黙認されている
結論を言うと、クレジットカード現金化はその行為じたいを規定する法律が存在しないため、違法ではありません。
ただし、さまざまな要因によりクレジットカード現金化は、「違法ではないがグレーゾーン」の行為と見なされています。
クレジットカード現金化は商取引であって貸金ではない
「クレジットカード現金化は、違法に高い手数料を設定している」ことが問題視されています。
クレジットカード現金化の違法性が問われる場合、必ずと言っていいほど引き合いに出される法律は、「貸金業法」と「出資法」です。
しかし、現金化業者はお金を貸し付けているのではなく、利用者から商品を買い取ったり、キャッシュバックしたりしているに過ぎません。
クレジットカード現金化はあくまでも商取引であり、出資法や貸金業法に規定される貸金ではないため、現金化の行為じたいは違法にならないのです。
ただし、相場とかけ離れた手数料を請求した現金化業者は、出資法違反や貸金業法違反に問われる可能性があります。
クレジットカード現金化業者は一定の需要があるから黙認されている
クレジットカード現金化業者が黙認され続けている要因の一つに、急いで現金が必要な人や、金融機関からお金を借りられない人に一定の需要があることが挙げられます。
キャッシングやカードローンが使用できない人が闇金業者などに手を出すよりも、クレジットカード現金化を利用したほうが、詐欺や個人情報流出などのトラブルが避けられます。
このような要因が考えられることから、弁護士や警察もクレジットカード現金化の違法性を問うてはいるものの、黙認しているという可能性があります。
違法性が問われるクレジットカード現金化
現金化業者が提供する現金化サービスに以下の問題点がある場合、違法性を問われる可能性があります。
- 現金化の手数料が法定利息を超えていること
- 古物商許可を取得しないで商品の買取を行うこと
- 「三店方式」を採用しないで買取式による現金化を行うこと
- キャッシュバック式の現金化で商品の授受を行わないこと
それぞれの問題点について詳しく解説していきます。
現金化の手数料が法定利息を超えていること
クレジットカード現金化業者の実際の換金率(還元率)、75%~85%が相場です。
すなわち、利用者は1回の現金化につき、現金化の手数料として15%~25%を請求されていることになります。
この手数料を金利換算すると年利で数百%の利息に相当するため、利息制限法に定められた法定利息を超える金利を請求していると、違法性を指摘されることがあります。
キャッシングやカードローンの年利が最大でも18〜20%であることを考えると、非常に高い金利であることは否めません。
ただし、クレジットカード現金化は貸金ではないため、法定利息を超える手数料を請求していたとしても、ただちに違法性を問われることはありません。
古物商許可を取得しないで商品の買取を行う
クレジットカード現金化業者の現金化の仕組みの一つに、利用者がクレジットカードで購入した商品を現金化業者が買い取り、その買取代金を渡す「買取方式」があります。
商品を買い取って、その代金を渡す行為を業として行う場合、古物商許可が必要です。
この古物商許可を取得しないで商品の買い取りを行う現金化業者は、確実に違法となります。
「三店方式」を採用しないで買取式による現金化を行うこと
三店方式とは、パチンコ店で見られる商品の買い取りおよび換金の仕組みです。
パチンコ店は現金を賞品として提供することが禁じられているため、特殊景品をパチンコ客に渡します。
パチンコ客はその特殊景品を交換所で現金と交換してもらいます。
交換所は買い取った特殊景品を景品問屋に売り、景品問屋は、の特殊景品をパチンコ店に売ります。
このように特殊景品が3者のステークホルダー間でやり取りされる仕組みが三店方式です。
違法性のない現金化業者は、三店方式を採用した買取式でクレジットカード現金化を行います。
キャッシュバック式の現金化で商品の授受を行わないこと
キャッシュバック式とは、現金化業者が販売するキャッシュバック特典付きの商品を利用者に購入させ、その特典として商品代金の何割かの現金をキャッシュバックする現金化の仕組みです。
このキャッシュバック式を合法とするには、利用者が必ず購入した商品を受け取らなければなりません。
利用者が購入した商品の受け取りを拒否した場合、または現金化業者が利用者に商品を渡さなかった場合、商取引を装った実質的な貸金と見なされる可能性があります。
現金化業者が摘発・逮捕された事例
クレジットカード現金化じたいは違法行為ではないものの、過去には現金化業者が摘発・逮捕された事例が少なくありません。
それらの事例をもとに、クレジットカード現金化の違法性について解説します。
商取引を装って法定利息を超過した貸金業を営んだ事例
表向きは現金化を装い、実質的に高金利で資金を貸し付けるヤミ金融を営んでいた現金化業者が、出資法違反の容疑で逮捕された事例です。
警察によると、容疑者らが現金化業で得た手数料を金利換算すると、最大で法定利息の70倍に相当、約4,500人の顧客から手数料名目で総額約23億円の金利を得ていたようです。
容疑者らは顧客に数十万~数百万円のおもちゃの指輪などをクレジットカードで購入させ、カード会社から入金される代金から20~30%の手数料を差し引いた額を顧客にキャッシュバックしていました。
つまり、容疑者らは表向きは合法な商取引に見せかけ、裏では高金利のキャッシュバック方式の現金化を行っていたのです。
事例:https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0500Q_V00C11A8CC0000/
違法性のあるキャッシュバックの事例
キャッシュバック方式で高金利のクレジットカード現金化を行ったとして、貸金業法および出資法違反で逮捕に至ったケースです。
業者側は融資を求める客に1個30円~120円相当の商品をクレジットカード決済で数千円~百数十万円の高額で購入させ、カード会社から入金される代金の一部を差し引き、残りの現金を客にキャッシュバックする方式でカードのショッピング枠を現金化していました。
顧客側はカードで購入した商品の中身が送られてくるまで明かされず、また取引金額が商品価値と比べて極端に高額なことなどから、売買は形式的な取引と認定されていました。
さらに、業者側はカード会社から確実に入金される仕組みを利用していたため、警視庁は「実態としては差し引いた代金の一部を利息とする貸金業に当たる」と判断、業者側は出資法および貸金業法違反で逮捕となります。
事例:https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0500Q_V00C11A8CC0000/
違法性のある商品買取で摘発された事例
衣料品売買を装ったヤミ金業を営んだとして、代表者らが逮捕されたケースです。
容疑者らはクレジットカード決済で利用客が商品を購入したと見せかけ、実際はお金の貸付を目的に容疑者らが経営する別の買取店舗で商品を買い戻し、カード会社から支払われる代金を詐取していたと見られています。
警察によると、代表者らはカバンや洋服の販売業と買取業を装った店舗をそれぞれ設置、顧客に商品の販売名目でカード決済を行わせ、さらに買い取り名目でその場で貸付金を顧客に渡していました。
逮捕された現金化業者は、表向きは「三店方式」を装い、実際は商品の販売店、買取店が同じ経営者のもとで経営されていたことが逮捕につながったと考えられます。
事例:https://www.sankei.com/affairs/news/160303/afr1603030011-n1.html
クレジットカード現金化の利用者の法的リスク
クレジットカード現金化はカード会社が規約で禁止している行為であるため、発覚した場合はカード利用停止や強制解約、一括返済などのペナルティーが課されます。
その他にも、クレジットカード現金化の利用者には、以下のような法的リスクがあります。
- 横領罪に問われるリスク
- 詐欺罪に問われるリスク
- 免責許可が得られないリスク
それぞれの法的リスクについて、詳しく見ていきましょう。
横領罪に問われるリスク
前述した「買取式」クレジットカード現金化を行った利用者は、カード会社の所有物を横領して利益を得たと判断され、横領罪に問われる可能性があります。
横領罪とは、他人の所有物を不法に自分のものとして利益を得る罪のことです。
クレジットカード現金化の買取式は、クレジットカードで購入した商品を、その商品代金の完済前に転売して現金化します。
実は、クレジットカードで購入した商品は、商品代の支払いが完了するまで、その所有権はカード会社にあります。
これを「所有権留保」といいます。
まだカード会社に所有権のある商品を転売して現金化した場合、横領罪に問われる可能性があるのです。
ただし、これまでに現金化利用者が横領罪で逮捕されたり、訴訟を提起されたりした事例はありません。
詐欺罪に問われるリスク
クレジットカード現金化の利用者は、カード会社を騙したとして詐欺罪に問われる可能性があります。
詐欺罪とは、他人から金品などをだまし取ったり、代金の支払いを免れたりする罪のことです。
カード会社が会員規約でクレジットカード現金化を禁止していると知っておきながら、またその会員規約に同意しておきながら、現金化の意図を隠してクレジットカードで商品を購入することは、カード会社に対する詐欺行為にあたります。
ただし、クレジットカード現金化の利用者が詐欺罪で逮捕されたり、訴訟を提起されたりした事例はありません。
免責許可が得られないリスク
クレジットカードで返済できないほどの多額の借金を抱えてしまった場合、自己破産することで借金を帳消しにすることを考える人もいるのではないでしょうか?
自己破産とは、財産や収入の不足により「支払不能」の状態であることを裁判所に認めてもらい、借金の支払い義務を「免責」してもらう法的手続きのことです。
クレジットカード現金化の利用履歴が発覚した場合、自己破産が非常に困難になります。
なぜなら、クレジットカード現金化は、免責が認められない「免責不許可事由」にあたるからです。
クレジットカード現金化が原因で免責不許可事由が指摘されれば、自己破産が認められず、自力で借金を返済していくしかありません。
ただし、借金の原因に免責不許可事由があったとしても、「裁量免責」という形で認めてもらえることもあります。
クレジットカード現金化の違法性に関するQ&A
クレジットカード現金化の違法性に関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。
クレジットカード現金化を使ったことがあると、ローンの審査に通りにくくなりますか?
審査には影響は出ません。
クレジットカード現金化は融資ではないため、信用情報に一切の影響がありません。
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クレジットカード現金化を利用していたことがカード会社にバレたら、法的な措置を受けますか?
法的な措置は受けません。
クレジットカード現金化がカード会社にバレると、カード利用停止や強制解約など、カード会社が規定するペナルティーが課されます。
ただし、クレジットカード現金化を利用したこと自体が何らかの罪に問われ、罰金や資格停止と言った法的な措置を受けることはありません。
現金化をお考えの方へ
クレジットカード現金化の違法性や、それでも黙認されている要因について解説しました。
急いで現金が必要なとき、また金融機関からお金を借りられないとき、クレジットカード現金化は非常に便利な現金調達の方法です。
ただし、本記事で解説したように「グレーゾーン」と見なされている行為であることや、法に触れるような悪質な業者も存在していることを踏まえ、違法性のない安全な現金化業者を選ぶようにしましょう。
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